珍事件手記
12話 激 怒

浮気調査の依頼者の女性は、25歳前後の可愛らしい女性であった。
被調査者の勤務先付近にて張込みを開始し、相手の男性が退社するのを待った。
暫くすると、男性は会社を出、喫茶店に入店した。
店内で、依頼者の女性と相席している。
私は、依頼者に対し「会うのであれば、前以て一言告げてくれたら良いのに」と思った。
両人は、喫茶店を出、付近の映画館に入った。
この映画は、上映時間が3時間も掛かる映画である。
翌日、再度被調査者の勤務先付近にて張込みを開始した。
前日と同じく、被調査者が単身にて会社を出、又もや前日と同じ喫茶店にて、依頼者と相席しているではないか。
調査最終日、私は、被調査者の退社を待った。
又しても、依頼者と共に喫茶店にて相席している。
両人は、同店を出た後、ファッションホテルに入店してしまった。
翌日、私は依頼者に電話で苦情を申し立てた。
「3日間調査致しましたが、貴方と会っているだけで、他の女性とは接触していませんよ。
男性と会うなら会うと一言連絡して頂かないと困ります。」
すると、どうであろう、依頼者は激怒して私に食って掛かって来た。
「何を言っているんですか、私はこの3日間相手とは会っていません。
いい加減な報告しないで下さい。私が相手と会っていた証拠はあるのですか。」
残念ながら、依頼者と会っているだけなので、写真撮影は一切していなかった。
「いいでしょう、もう一日だけ調査します。」
私も激怒して答えた。
翌日、再三に渡り、男性の退社後を尾行した。
やはり、今までと同じ喫茶店にて依頼者と相席している。
同店を退店した両人は、ショットバーに入店した。
その後、依頼者と被調査者は、それぞれ帰宅した。
今回は写真撮影だけではなく、ビデオも確実に録画している。
今度は、私が依頼者に激怒して食って掛かる番である。
翌日、4日間の報告書に写真を貼付し、録画したビデオテープを所持して、依頼者と待合わせた。
「このとおり、貴方と相手の男性が会っていた証拠です。」
思っていたとおり、依頼者は顔を真っ赤にして黙り込んでいる。
・・やった!俺の勝ちだ!・・
しかし、依頼者から出た言葉は謝罪ではなく、落胆の一言であった。
「この女・・・私の妹です・・・」

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