珍事件手記
9話 盗聴発見

友人から、盗聴されているかもしれないとの連絡を受け、親友の玄関先に着き、呼び鈴を鳴らした。
玄関のドアが開き、中から親友の奥さんが出てきた。
「テレビの修理に来ました。」とやや大きめの声で伝えた。
奥さんも事情を把握し、「お願いします」と答えただけで黙っていてくれた。
奥から親友が顔を出し、頭をぺコンと下げてウインクしている。
私は念入りに盗聴器の発見に努めたが、何処にも存在しない。
「大丈夫、盗聴器はつけられていないよ。」
私は、盗聴されていると思う状況を親友に詳しく聞き出した。
一ヶ月位前に、親友の上司から「昨日は大変だったな、奥さんとは仲直りできたか?」と言われた事に始まった。
その前日は、親友と奥さんが、たわいも無いことで口喧嘩をしていたのである。
また、奥さんも近所の人から「昨日は子供に宿題を教えていたでしょ、でもあなたが教えていたこと間違っているわよ。」と指摘されたこともある。
そのようなことが頻繁にあり、問い詰めたことがあった。
すると相手は、「電話が鳴ったので取ったらあなたの声が聞こえていた。」と言われた。
電話が壊れているのかと思い、新しい電話機に変えたら、暫くはそのようなおかしな事は起こらなかったのだが、やはり、同じような現象が出てきた。
NTTにも調べてもらったが、故障などはしていないという。
「今日はもう遅いので、こちらで泊まってください。」
「久しぶりに一杯やろうか。」
友人と奥さんにすすめられ、私達は深夜まで酒を酌み交わした。
次の日、客間で目を覚ました時、一匹の猫が私の布団に潜り込んでいることに気付いた。
私は、その猫と暫く戯れてやった。
猫は、客間の出入口に立ち止まり、私を見て一声鳴いた。如何にも今度は俺が遊んでやるから着いて来いと言わんばかりに。
私は猫の後に着いて行ってやった。
猫は居間に入った。
するとどうであろう、猫は電話台に飛び移り、受話器を外したではないか。
それどころか、再ダイヤルボタンまで押している。
・・盗聴の犯人が判明した・・

メニューへ戻る
10話に進む
ts@tanteisha.net

探偵養成所カウンター